Artifactのこの記事を見た。
あまりに適当な記事だなと思ったが、確かにArtifactにはいろいろ思うところがあり、今回はマーケティング的な視点で自分の見解を話そうと思う。
顧客満足度とNPS
顧客満足度とは
「あなたはこの商品にどの程度満足していますか?」という指標である。
NPS(Net Promoter Score)は
「あなたはこの商品を家族や知人に薦める可能性はどのくらいありますか?」
という設問から推奨者、中立者、批判者に分類する指標である。
https://note.mu/fladdict/n/n53cc92b1c2e0
満足度とNPSの指標の違いとして、NPSは業績との相関が高いことが特徴である。
NPSを開発した1社であるSatmetrixのホワイトペーパー「THE POWER BEHIND A SINGLE NUMBER」では、複数の業界の400社以上の企業/ブランドに関して、延べ1万人以上からの評価を分析した結果、NPSは企業の売上高成長率と高い相関があることが明らかだとしています。特に航空業界の主要企業において、NPSと5年間の売上高成長率では、相関係数「0.89」と強い相関が見られます。
https://webtan.impress.co.jp/e/2017/03/08/24303
現代のゲームの目指すべき点は
【アクティブユーザーとそのゲームを視聴する人間の数の最大化】
であるように感じているが、それを測るのにNPSは適している。
KPIは売上でいいのだが、ツリー構造に落とし込んだときに、毎日のアクティブユーザー数の部分をどうやって改善するのかという方法に直接結びつけやすい。
なぜ今回のAritifactの失敗の原因にNPSを挙げたかというと、
このゲームは知人におすすめしにくい
その1点に尽きる。
人間は満足→推奨という段階に行くまでにハードルの高さがある。
ゲームは自分だけ楽しめればいいと感じることも多くあるが、それを超えて人にもこの面白さや楽しさを誰かと共有したいと思う、そのようなユーザーが多ければ多いほど「盛り上がり」につながる。
私自身Artifactをプレイすること自体はそこそこ楽しんでいたが、人にお勧めしにくい複雑なゲームデザイン、配信映えしないゲーム性のため、「あなたはこの商品を家族や知人に薦める可能性はどのくらいありますか?」と聞かれれば0-10で4点くらいである。
なぜこのようなゲームになってしまったかはさておいて、この状態が続くと、ユーザーが激減する。
ゲームが難解だからNPSのスコアが低い、と単純な帰結をさせることは最も愚かである。複雑怪奇でも多くの人に愛されるゲームはたくさんある。MtGを作ったリチャード=ガーフィールド、
開発側は自分のゲームの魅力は何なのかを思い込まず、ユーザーからフィードバックを受け続けることで改善が進む。
必ずしもユーザーの声を真に受ける必要はないが、ValveにはArtifactをたたむ前にもう一度、多くの人に愛される作品へ向けて改革してほしいと思っている。